子どもの「これ買って!!」にプレゼンテーションが良い理由

子どもが親におねだりをしている

子どもの「これ買って!!」に皆さんはどう対応していますか。

安価なものならおこづかいで買えたり、お菓子などのちょっとしたものなら買い物ついでに一緒に買ってしまうこともあると思います。

しかし、高価なものはそうはいかない!!そこで、子どもが高価なモノを欲しがった時に、そのモノがなぜ欲しいのか、なぜ必要なのか、そのモノを手に入れることによるメリットやデメリットは何かなどを子どもにプレゼンさせる提案です。

プレゼンさせることによって、育つ子どものちからについてもあわせて考えていきたいと思います。

Yuri Ishiguro
Yuri Ishiguro

この記事は次のような人におすすめ!!

・子どもの「これ、買って!!」の対応に困っている人

・子どもにプレゼンテーション能力をつけさせたいと考えている人

1、子どもの欲しいものってなに??

最近、物欲がない子どもが多くなっていると耳にしますが、今の子どもたちは何を欲しがっているのでしょう。

ゲームやそのソフトは安易に想像できますが、それ以外にはスマートフォンやペットが男女ともに上位に入っていることが分かりました。

男の子(3~6歳)              

1位鉄道模型・プラレール
2位ブロック玩具
3位携帯ゲームのソフト

男の子(7~9歳)

1位携帯ゲームのソフト
2位ペット
3位携帯ゲーム

男の子(10~12歳)

1位携帯ゲームのソフト
2位スマートフォン
3位ペット

女の子(3~6歳)

1位ぬいぐるみ・人形
2位絵本・幼児雑誌
3位キャラクターの変身なりきりグッズ

女の子(7~9歳)

1位ペット
2位携帯ゲームのソフト
3位ぬいぐるみ・人形

女の子(10~12歳)

1位スマートフォン
2位ペット
3位バッグ

出典:アンケートモニターのコミュニティ! ビデオリサーチ オープンカフェ

2、プレゼンテーションとは

人に伝える力を育むプログラム「子どもが教える学校」を立ち上げた鈴木深雪さんはプレゼンテーションを「相手にわかりやすく説明し、”行動”してもらうための技術」と定義しています。

これからの子どもたちは、自分で考え行動する力が今以上に求められる時代を生きていくことになります。

自分の考えや思いを自分から発信し、人生を切り拓いていく力が必要となる。

その時にプレゼンテーション能力が力を発揮するのではないでしょうか。

しかし、プレゼンテーションを苦手とする人は私たち大人でも多いはず。

大勢の人の前で、臆することなく堂々としていて、魅力的な話をする人は生まれ持った才能を持っているのだと私自身思っていましたが、プレゼンテーション能力は筋トレと同じで、練習すればするだけ、身に付けられる能力のようです。

出典:小学生のプレゼンテーション術 〜“発表”の苦手意識をなくすには(1) : Z-SQUARE | Z会

3、プレゼンテーションの方法

子どもの「これ買って!!」の対応に、プレゼンテーションが有効とはどういうことでしょう。

子どものプレゼンテーション能力を磨くには練習が必要だと書きましたが、子どもだって急に「はい、プレゼンやってみよう!!」なんて言われたって何をどうすれば良いか分かりません。

そもそもプレゼンって何??ということから始まるでしょう。ならば、何か題材があると俄然やる気が出ますよね。

特に欲しいものを手に入れるという目的があればなおさらです。

プレゼンは順序立てて話すことを基本とし、相手をどう納得させるかが最終的な目標です。

例えば、子どもがペットを欲しがったとしてプレゼンの方法を考えてみましょう。

  1. 何についてプレゼンするのかを発表する(ペットが欲しいということを伝える)
  2. なぜペットが欲しいのかを伝える
  3. ペットを飼うことによるメリット・デメリットを伝える
  4. デメリットを解決するために何が必要かを伝える
  5. ペットを飼うことになったら自分はどう行動するのかを伝える
  6. 最後に、もう一度一番伝えたいことを話す(ペットが欲しいということを伝える)
  7. 聞き手からの質問や意見

何についてプレゼンするのかを発表する(ペットが欲しいということを伝える)

まずは結論を最初に述べ、自分が今から何についてプレゼンするのかを明確にします。

聞き手に一番伝えたいことをまず先に話すことを心掛けましょう。

なぜペットが欲しいのかを伝える

ただ、「かわいいから」などといった簡単な感情で表すだけでなく、どういうところが「かわいい」のかまで掘り下げられるとGoodです。

子どもが100人いたら100通りの表現の仕方があるはずで、「毛がふわふわしていてかわいいから」「目がクリクリしていてかわいいから」「よちよちしていてかわいいから」といった表現が思いつきますね。

子どもが思い浮かばないようであれば、どういうところがかわいいの?と助け舟を出してあげると良いかもしれません。

ちなみに我が家の子どもは、犬が欲しいようでやはり「かわいいから」という理由でしたが、どういうところがかわいいと思う?と聞いたら「耳が三角形でかわいい」と話していました。

ペットを飼うことによるメリット・デメリットを伝える

デメリットは聞き手にマイナスになる情報なので言うことを拒むことも考えられますが、情報として伝えることは大切です。

メリット

  • 規則正しい生活になる
  • 癒やされる
  • 心が育つ

など

デメリット

  • 先に死んでしまう
  • 家を長時間あけられない
  • 家の中で飼う場合、汚れが気になる

など

デメリットを解決するために何が必要かを伝える

先に死んでしまうことを心に留めておく。

旅行など長時間家を空ける場合は、ペットを預けられる先を見つけておく。

長時間家を空ける旅行などには行かない。

掃除をこまめにする。

外で飼うなどデメリットに対する解決策を考えられる範囲で伝えることに努め、相手を納得させます。

ペットを飼うことになったら自分はどう行動するかを伝える

ペットを飼うことになった時、親として一番心配なのは、本当に面倒を見ることができるのかというもの。

命ある生き物ですから、三日坊主なんて許されません。

毎日お散歩する。

食事を毎日決まった時間にあげる。

といったお世話のことから、宿題をきちんをやる。

習い事の練習を毎日する。

といった自分自身のやるべきことを伝えても良いでしょう。聞き手を納得させるにはどうしたら良いのかを考えます。

もう一度、ペットが欲しいということを伝える

最後にもう一度、一番伝えたい「ペットが欲しい!!」ということを聞き手に伝えます。

聞き手からの質問や意見

最後に、子どもに質問してみましょう。

自分の想定していなかった聞き手からの質問に戸惑ってしまうかもしれませんが、プレゼンテーション能力を磨く良いチャンスです。

4、プレゼンテーションで得られる力や効果 

子どもに欲しいものをプレゼンさせることで、本当に自分はこれが欲しいのかと再認識させることができるような気がします。

プレゼンするために、そのモノがどういうものであるのかを調べたり、そのモノを買うことによってどういうメリット・デメリットがあるのかなどを考えるうちに、やっぱりそんなに欲しいモノではなかったと気付く時間になる可能性が考えられます。

また、聞き手を納得させるために欲しいモノがどういうモノであるのか自分で調べたり、順序立ててどう話すかを考えることで「考える力」も育つでしょう。

きっと自分でいろいろなツールを用いて調べることで「調べる力」も育つはずです。

そして何よりも私が大切だと思う力は、人前でも臆することなく堂々と自分の考えが言える力。

日本人の多くは大人でさえ人前で話すことに躊躇してしまうことがあります。

もちろん私もその一人ですが…プレゼンテーションの授業がある欧米の子ども達と将来同じビジネスの土俵に立つかもしれないことを考えた時、プレゼンテーションの技術はもちろん大切ですが、自分の考えに自信を持って話せる力が必要になってくるのだと感じます。

5、プレゼンテーションの力を伸ばすには

子どもの選択を大切にする

学校に着ていく洋服を決める。

遊びに行く場所を決める。

食事は何を食べたいか決める。

など子ども自身が「決める」ことを大切にしましょう。

ついつい時間がないからと言って、親が洋服を決めていませんか。

どんなささいなことでも、子どもが決めたことを尊重することで子どもの自信につながり、プレゼンテーションで大切な「考える力」が身に付くでしょう。

自分の思いを言葉にする 

私たち親は子どもの前で泣いたり、失敗したことを子どもに話さないようにしているところがあります。

しかし、親が子どもの前でネガティブな感情を出すことで、子どもはそういう感情を表に出しても良いのだと思うのだそう。

そうすることで、子どもは感情を素直に表に出すようになり、表現力が上がることにつながります。

子どもとたくさんおしゃべりする 

その日学校で何を勉強してきたのか、休み時間に何をしたのか、図書館でどんな本を借りたのかなど子どもに話してもらいましょう。

そして、相槌を打つだけでなく、時には「こういう考え方もあるよ。」と別の視点で意見を述べてみるのも効果的です。

決して子どもの意見を変えさせることが目的なのではなく、自分の考えを別の視点から考えさせることを目的としています。

また、自分とは違う意見を受け入れる寛容な心を育てることにもつながるでしょう。

本をたくさん読む

本をたくさん読むことは、たくさんの言葉と出会う機会に恵まれるということです。

そうすることで、語彙力がつくのはもちろんのこと、自分の思いを言葉で表現できるようになります。

日記を書く

その日の出来事を文章にしたり、お父さんお母さんと交換日記をするのも良いでしょう。

その日その日の出来事を文章にすることで表現する力がつくのだそう。

出典:子どものうちから必要な「プレゼンテーション能力」を伸ばすために家庭でできること

グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれる――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2

6、まとめ

日頃から、子どもとたくさんおしゃべりしたり、本をたくさん読んだりプレゼンテーション能力を伸ばすためにできることはたくさんあります。

子どもの「これ買って!!」がプレゼンテーションをさせる絶好のチャンス!!と捉え、まずは人前で自信を持って話すことに慣れてもらいましょう。

そして、ぜひ成功体験を。子どもは、認められると自信がつき、また挑戦してみようと頑張ります。

それは大人も同じですね。

まずは絶対に買わないと決めているモノをプレゼンさせるより、買ってあげようかなと考えているモノをプレゼンさせ、自信をつけてあげてください。

Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa 

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