経済成長が続くイスラエルは人口増加と共にごみの排出量も増加の傾向にあります。
その結果、イスラエルの政治・文化・経済の拠点であるテルアビブの近くにごみの山ができてしまったとか。
そのごみの山は数百メートル先まで異臭を放っていたそうです。
2019年のイスラエルにおけるごみの排出量はOECD加盟国のなかで6位。
また中東諸国では1位。
年間一人当たり、679㎏のゴミを排出していることになります。
ちなみに日本は2018年の時点で一人当たり年間335㎏で33位。
その問題を解決するべく、「クリーンコイン」アプリが開発されました。
ごみを拾うことに報酬をつけることで、世界をきれいな場所にしていこうという試みです。
私たちの住む地球は、以前にも増して汚くなる速さを加速させています。
地球に住む私たちが、この問題を解決していかなければならないと訴えているのです。
1.「クリーンコイン」アプリができること
ごみを拾うことは、決して楽しいことではありません。
そのごみを拾うという行為をゲーム感覚で楽しめるように工夫されているのがこの「クリーンコイン」です。
何千万人の人たちをアプリ内でつなげ、人々がお互いに少しずつ助け合うことができるようになっています。
2.「クリーンコイン」アプリはどう使うのか?
例えば、子どもと散歩をしていてごみを見つけたとしましょう。
もしその時ごみが拾えなかったら、そのごみを「クリーンコイン」に報告しよう!
そのごみの報告をみた人は、少しの空いた時間でごみを拾い臨時収入を得ることができます。
アプリではごみの場所が黒い点で記されて、報告された写真からごみの量を正確に把握することができ、クリーンコインが何枚獲得できるかも分かるようになっています。
集めたごみを決められた場所に捨て、仕事は終わりです。
そして、「クリーンコイン」に仕事を終えたことを報告しよう!ごみ袋1袋につき、クリーンコイン約10枚を獲得することができます。
ごみを拾ったり、ごみの場所を報告したことが、「クリーンコイン」上でリアルタイムで確認することができます。
ごみを拾うことによって現金や割引の特典の報酬などを得ることができます。
また、寄付を選択することもできます。
時間がなくてごみが捨てられている場所を報告するだけでも、クリーンコインがもらえます。
3.他国の取り組み
「Empower」が行う取り組みにはどんな国に住んでいても参加することができます。
捨てられたプラスチックごみをリサイクルステーションに持っていくと、ごみの重さによってデジタルトークンが付与されます。
そのデジタルトークンは現金に換金するほか、募金することができるようになっています。
その他にも、インドネシアの「Go-pay」など各国で環境問題を当事者として考える活動が広がっているようです。
仮想通貨や電子マネーといった新しい技術が、子どもたちがこれから生きていく地球の環境問題に一役買ってくれるのではないでしょうか。
Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa