どんぐり銀行ってどんな銀行??

「どんぐり銀行」はご存知でしょうか?

お金を通して子ども達は様々な事を学べますが、環境やSDG’s、サステナビリティも学ぶ事ができます。
今回はそんな「どんぐり銀行」をご紹介します。

Yuri Ishiguro
Yuri Ishiguro

この記事は次のような人におすすめ!

  • 子どもに通帳を作りたい人
  • 子どもがどんぐりを拾うのが大好き!!
  • 環境保全に興味がある人
  • SDGsに取り組みたい人

1.どんぐり銀行とは

平成4年10月から始められたどんぐり銀行は香川県が発祥のどんぐりのための銀行です。
拾ったどんぐりを銀行に持っていくと預け入れたどんぐりの数が通帳に記帳され、一定の数になると苗木やオリジナルグッズと交換できる仕組みになっています。

どんぐり銀行は、現在ではさまざまな団体や行政機関が活動を行っており、ベネリック株式会社は高知県大川村に本店を置くどんぐり銀行を運営し、全国各地にある「どんぐり共和国」の店舗にどんぐり銀行出張所を設置しています。
その他にも、大分県の「みどりの夢銀行」や和歌山県の「かしの木バンク」など広がりを見せています。

2.どんぐり銀行の思い

どんぐり銀行が始められた当時、県民の森林への関心が薄れ始めたことを危惧した職員が、どんぐりを拾うために森や公園に行くことで自然に触れ合うきっかけを作り、森を守る大人になってもらいたいという思いでどんぐり銀行を発案したということです。
後に、その運動は高知県大川村におよびます。

高知県大川村は人口が日本一少ない村であったこともある小さな村ですが、その村には西日本で最大級の早明浦ダムがあり、四国の水源となっています。
スギやヒノキの針葉樹がまわりの山々に植えられていましたが、針葉樹は一年中葉を落とすことがありません。
そのため、下草が生えず山が水を貯めることができないことが原因でダムの水が少なくなったことがあったそうです。
そこで四国の水源を守るため、落葉広葉樹の植林活動が始められました。
これが、高知県大川村のどんぐり銀行の始まりです。

しかし、どんぐりは森の動物たちの大切な食料となるもの。
香川県のどんぐり銀行は一回の預け入れ限度額を5,000D(D=どんぐり)にし、採りすぎないことも自然を守り動物を守ることだと教えてくれています。

3.どんぐり銀行の仕組み

さて、どんぐり銀行はどのような仕組みになっているのでしょう。

高知県大川村の「どんぐり銀行」を例にみていきましょう!!

①どんぐりを拾おう!!                             

どんなどんぐりでも良いわけではありません。
拾ったどんぐりを水につけ、沈んだどんぐりだけを選別します。
そのどんぐりを洗い、乾燥させましょう。
もちろん、虫食いや割れているもの、かびているものは受け付けていません。

②どんぐりを銀行に預けよう!!                         

選別した良い状態のどんぐりを銀行に持っていきます。
高知県大川村にある本店に持っていくのもよし、もし遠ければ各県にいくつかあるどんぐり銀行出張所に持っていきましょう。
持参するのが難しい場合は、郵送でも受け付けています。

初回に「どんぐり通帳」が発行され、預け入れたどんぐりの数が通帳に記載されます。

③どんぐりを払い戻そう!!                           

100Dで苗木1本と交換することができます。
受け取った苗木は、自分で育てるか本店のある高知県大川村で代理植樹することができます。
払い戻し払いの期間は決まっているので、その期間中に払い戻しをしましょう。

団体や行政機関によって、どんぐりの数え方や、払い戻しの際に受け取れるものが異なることがあります。
香川県の場合は、クヌギ、アベマキなどの丸く大きなどんぐりは1つ10D(=どんぐり)、コナラ、アラカシなどの細長くて小さなどんぐりを1つ1Dとして数えます。

払い戻しの際に受け取れるものは、苗木のほか、シールやポストカードが受け取れる銀行があるなど、それぞれ特徴があります。

また、団体や行政機関によって運営方法が異なるため、どんぐり銀行にどんぐりを預けたいと思っている人は、各団体や行政機関の公式サイトなどで調べてみてくださいね。

4.今、どんぐり銀行は?

香川県のどんぐり銀行の預金者は平成28年度の時点で、累計2万3589人になります。
また払い戻した苗木はのべ4万2352本。
子どもたちが集めたどんぐりが苗木となり、その苗木が大きくなり、森となる…そんな過程を知るだけでも、自然や環境保全に興味が湧きそうです。

5.まとめ

最近、SDGsという言葉をよく耳にしませんか。
これからの世界が今の子どもたちにとってよりよい世界であることを願うばかりですが、子どもたちが当事者としてSDGsの課題を理解することは、持続可能な世界を築くために大切なことではないでしょうか。

どんぐり銀行のように身近なところから始められるSDGは、目標のひとつである「陸の豊かさも守ろう」につながると考えます。

持続可能な世界に向けて身近なところからはじめてみませんか。

Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa