皆さんのお子さんは習い事をしていますか。
この記事を書いている私は、現在37歳、7歳の子どもがいます。
我が家はシュタイナー教育をベースとする幼稚園に子どもが通っていたこともあり、習い事とは無縁でしたが、子どもが小学校に行き始めたことをきっかけに習い事について考え始めました。
新型コロナウイルスの影響で外出が制限される中、オンラインでの習い事も多く見受けられるようになり、習い事の一つとして検討しても良いかなと思う今日この頃です。
この記事は次のような人におすすめ!
- 時間や場所に関係なく子どもに色んな経験をさせたい人
- 習い事の相場や人気が知りたい人
- オンラインの習い事の種類が気になる人
- オンラインの習い事のメリット・デメリットが知りたい人
1.最近の教育理論
近年、非認知能力が注目されています。
IQや学力テストなどで測れる能力を認知能力と呼ぶのに対し、非認知能力は感情や心の働きに関連する能力です。
頑張ってやりきる力、気持ちのコントロール力、コミュニケーション力といった能力を育むことにより、子どもの将来や人生を豊かにできると考えられています。
文部科学省の学習指導要領にも盛り込まれており、この能力を伸ばすための習い事も増えてきています。
2.習い事の目的
習い事をする前に、果たして習い事の目的は何なのかを考える必要があると思います。
周りのお友達が習い事をしているから、小学生になったから、昔、自分が習っていたから、などという単純な考えから安易に子どもにやらせるべきではないと思うのです。
習い事をするのは子どもなのですから、子どもを主体に考えるべきではないでしょうか。
日頃から子どものことを観察し、何に興味、関心があるのか、何が向いていて何が向いていないのかを判断するのが親の役目であるのにもかかわらず、本人はないがしろにされ親の意向が優先されているのが現実です。
教育評論家の親野智可等氏が習い事を考えるに当たって子どもを主人公にするべく二つの方法を紹介しています。
一つ目は、日頃から子どもの様子を観察し、子どもは何に興味、関心があるのか。
子どもの向き不向きを見極めること。
そして、それが分かったら親が応援してあげること。親の応援がないと、その興味関心のある分野を伸ばせません。
二つ目は、子どもが興味、関心を持ちそうなものや向いていそうなものを、紹介、推薦していろいろ試すこと。
子どもは情報弱者であり、習い事にはどのようなものがあるのかさえ分かりません。
ましてや、自分に何が向いていて、何が向いていないのかの判断はできません。
親が情報を得て、いろいろとやってみることで子どもにとってベストな習い事が見つかる可能性が高まります。
そして、興味を示さなかったらやめること。
一度始めたからと言って執着する必要はありません。
いくつも習い事を試してみて、何個目かにその子に合う習い事が見つかれば続けるものです。
現代は、多様性と流動性の時代であり、習い事をするにも選択肢が広がりました。
ぜひ、子どもを主人公にした習い事の選択ができると良いですね。
3、習い事をしている割合とその種類
習い事をしている子どもはどれくらい?
このグラフを見てお分かりのように、習い事をしている子どもは全体で63.4%にのぼり約3人に2人が習い事をしていることが分かります。
また習い事を始めた時期としては小学校入学前が52.2%となり全体の過半数となる子どもが未就学児の時期から始めていたことになります。
人気が高い習い事は?
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習い事を種類別に見てみると、この参考にした資料はもとより、いかなる資料においても水泳がダントツに人気なことが伺えました。続いて学習塾、ピアノが半分以上を占めています。
習い事を始めたキッカケは?
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習い事を始めるきっかけとしては、親の意向が61.2%を占め、上記グラフのトップ3は親の意向で始めた割合が高い結果となっています。
その理由としては、体力作り・運動能力向上のため、子どもの可能性を伸ばしたい、子どもの好きなこと・得意なことを増やしたいからなどが挙げられます。
一方で子どもの意向で習い事を始めた割合は38.8%となっていますが、その習い事に分類されるものは、その他の内訳のダンスやサッカー、テニスとなり子どもが興味のある習い事と親が子どもに習わせたいと思っている習い事に差がある結果となっています。
4.習い事にかける費用
子どもの習い事にかける平均金額は一人あたり13,607円となり、年齢が上がるにしたがい高くなることが見てうかがえます。
また、学習塾や英会話などの学習系の習い事に高い費用をかける傾向があります。
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5.オンラインの習い事
オンラインで子どもの習い事を調べてみると、英会話教室や学習塾、知育教室、ピアノをはじめとする音楽教室などの教育系から、体育教室、ダンス・ヨガなどの運動系、2020年度から小学校で必修化されるプログラミングまで幅広くオンラインで習えることが分かります。
調べれば調べた数だけ習い事が出てきそうですが、その中で興味深いものをいくつか挙げたいと思います。
オーガニック料理教室 ワクワクワーク
オンラインでの子ども向けの料理教室はいくつもありますが、個人的に興味が沸いた料理教室です。
オーガニック料理教室 ワクワクワークは卵・乳製品を使わずにオーガニックの食材を使用した料理教室で、毎日のごはんから私のしあわせを見つけることをモットーに活動しています。
対象 幼児~
期間 1日~
配信 zoom
料金 講座により異なる
小・中・高生のための起業家教育 TimeLeap Academy
TimeLeap Academy の起業家教育プログラムは、8か月間をかけて「自らの人生を切り拓く力」を身につけることを目的としています。
自己認識・社会接続・才能発揮の3つを柱に、自ら考えたビジネスプランを形にするプロセスを体験してみることで、自分の才能で社会に価値を生み出す機会を提供します。
またプログラムの前半は視野を広げるためのインプット期間として最前線で活躍する起業家や様々な領域のトップランナーたちがメンターとして授業を受け持ち貴重な機会を受講者に提供、後半はアウトプット期間として自分で考えたアイディアを形にするための実践に入ります。
対象 小学5年生~高校3年生
期間 8か月
入会金 15,000円+税
授業料 32,000円+税(9回分割払い) (一括の場合278,000円)
オンライン探究 探究学舎
子どもたちの「もっと知りたい!」「やってみたい!」という驚きと感動の種をまき、探究心の火をつけます。
授業内容は戦国英雄編、生物進化編、宇宙編、元素編といった子どもの探究心に火をつけるラインアップになり、驚きと感動に出会えるような学びの体験を届けています。
対象 小学生、中学生
配信 zoom
利用料金 月額1万円(税込)
オンラインテーマパーク sozow
子どもの好奇心や創造性が広がるオンライン体験アクティビティを通して、子どもの可能性を広げます。
ゲームプログラミング、You Tuberになろう、起業家体験、お金マイスター、マインクラフト、ITリテラシーなど多岐にわたるアクティビティが用意されています。
対象 小学1年生~中学3年生
期間 現在無料体験期間 2021年1月~本格的にサービス開始
配信 インターネットのに接続されたパソコン、タブレット
料金 4チケット:10,000円/月(税別)
カフェトーク
英会話やフランス語といった語学レッスンから音楽、アートなどの習い事から趣味までユニークなマンツーマンのオンラインレッスンが多様に用意されています。
対象 特になし
期間 チケット制
配信 Skype
料金 1ポイント=1.1円(税込)
レッスンにより異なる
6.オンラインの習い事のメリット、デメリット
オンラインの習い事にはメリット、デメリットがあります。
メリット
習い事を教える場所を用意する必要がないため運営側のコストを抑えることができ、またSkypeやzoomといった無料通話アプリを使用すれば通話料金もかからず、オフラインでの習い事と比較すると低価格で受講することが可能です。
また習い事に通う交通費もかからないため、その費用を他に充てることができます。
基本的に自宅でパソコンやタブレットなどの電子機器で受講するため子どもの送迎が不要です。
場所に制限がないので、例えば、旅行先でも受講することが可能です。
また好きな時間に単発で予約できる習い事も豊富なので、時間に余裕ができた時に受講することができます。
習い事に通う時間が不要なので、その時間を他の習い事に充てることができます。
外出せずに自宅で受講することができるため、人との接触を最小限に抑えることができます。
オフラインの習い事はグループで受講するものも多くありますが、オンラインでの習い事はマンツーマンで受講できるものが多く内容の濃いレッスンになります。
デメリット
習い事は学校以外で友達をつくる絶好の機会ですが、オンラインでの習い事となると新しい出会いのチャンスが少なくなります
オンラインの習い事は基本的に自宅で受けることになります。
普段と変わらない環境での習い事となると頭の切り替えにはかなりの集中力とやる気が必要です。
受講中は他の受講生の生活音や会話が入らないように、受講生側の音声はミュートにする必要がある場合があり、分からないことがあってもその場ですぐに質問できないことがあります。
オンラインでの習い事には、パソコンやタブレットなどの電子機器が必ず必要になるので、それらを揃えなくてはなりません。
通信環境が整っていても、フリーズしたり音声が途切れるなどの不具合が生じる可能性は0ではありません。
インターネット技術が発達し、習い事も国を越えて習える時代になりました。
また、新型コロナウイルスの影響での外出制限によりさらにオンラインでの習い事が注目されています。
今後、オンラインでの習い事は当たり前の時代になり、特に現代の子どもたちにとってはパソコンやタブレットなどの電子機器は当たり前の存在となっていくでしょう。
7.海外と日本の違い
日本と海外では習い事に対しての考え方は異なるようで、日本では始めた習い事は続けなければならない風潮がありますが、アメリカでは子どもに向いていないのであれば、新しい習い事にすぐにシフトする傾向が強いようです。
イタリアでは、授業に体育の時間が少ないためスポーツ系の習い事をする子どもが多いようです。
またさまざまな音楽家を輩出しているお国柄、楽器を習う子どもが多くいます。
タイやインドネシアでは皆さんご存じの公文が人気のようです。
フランスでは習い事に市町村からの援助があり、比較的リーズナブルな料金で習い事をすることができます。
8.オンライン化がもたらす子どもへの影響
文部科学省は令和5年度までに、小中学校の児童生徒に対して1人1台がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指していますが、親にとっては授業で使うコンピュータやタブレットなどの電子機器が身近になることで、ゲームなどにのめり込んでしまうのではないか、犯罪に巻き込まれはしないかなど不安は付きまといます。
また長時間画面を見続けることにより、ブルーライトの影響で眼精疲労による視力の低下や身体的、精神的な疲れの蓄積も考えられます。
オンライン化がもたらすメリットとデメリットをしっかりと把握した上でパソコンやタブレットなどの電子機器と上手に付き合っていく方法を考えていかなくてはなりません。
子どもは小さな大人ではありません。
かと言って親の考えを押し付けるのは考えものです。
9.まとめ
習い事を何かしようと思った時がチャンスです。
子どもが何をしているときに時間を忘れその物事に没頭しているのか、何に興味があるのかを日頃から親である私たちが観察することで、その子に適した習い事を選択できるのではないでしょうか。
そして、気軽に一度見学なり、試しにやってみれば良いと思います。
そうすれば、子どもなりにも好き嫌いの判別はできるでしょうし、親からみて子どもに向いているのか向いていないのか分かるでしょう。
子どもの意見を尊重することは大切だと思います。
一度レッスンを受けたからには続けなくてはいけないなんてことはありません。
子どもが楽しくないというのなら、その習い事はやめてまた次のステップに移れば良いと思います。
きっと何回かそれを繰り返すうちに子どもにとってベストな習い事が見つかりますよ。
Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa