前編では、奨学金がどういうものかを述べましたが、後編では、その奨学金は一体どのような人が利用すると良いのか、どのような用途に使えるのか、奨学金制度を利用したいけれど、どのような手順で申し込めば良いのかなどを述べていきたいと思います。
この記事は次のような人におすすめ!
- どんな状況の人が奨学金に向いているか知りたい人
- 奨学金はどの用途に使えるか知りたい人
- 奨学金を利用する際のスケジュールが知りたい人
1.奨学金はどのような人に向いているのか?
経済的理由で修学が困難な場合であっても、進学を諦めることなく奨学生制度を上手に利用して学ぶ機会を得ることができます。
奨学金により異なりますが、家庭の所得が基準以上であると奨学金制度を利用することはできません。
こちらも奨学金制度により基準は異なりますが、日本学生支援機構の奨学金制度の給付型の奨学金制度では、高等学校等における全履修科目の認定平均値が、5段階評定で3.5以上あること。
また、将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学習意欲を有することと基準が定められています。
そのため成績が基準値以上でないと給付型は申し込みができません。
奨学金は進学先により異なりますが、借りられる金額が民間の教育ローンと比べ多くはないため自己資金で賄わなければならない場合がでてきます。
例えば日本学生支援機構の奨学金と民間の奨学金、奨学金と教育ローンなどといった併用は可能ですが、自己資金で賄う必要がでてくる場合があります。
日本学生支援機構の奨学金は入学費用には使えません。
国の教育ローンや民間の教育ローンは入学費用に使うことができますので、そちらを検討するか入学費用は自身で準備する必要があります。
給付型の奨学金の場合は返す必要はありませんが、貸与型の奨学金の場合、卒業後に長期にわたる返済が続きます。
きちんと返済する意思を持ち、返済する能力があるかも検討する必要があります。
2.奨学金はどのような用途に使えるのか?
奨学金の使い道ですが、基本的には規定がありません。
独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金に関するHPにも使用使途に関する記載はありませんが、原則として進学・修学に使う費用として支給されています。
奨学金は、学費だけでなく、教材費、食費や生活費、また家賃など多様化しているようです。
奨学金制度を利用している目的を明確にし、必要なものに使いたいものです。
3.奨学金はいつまでに申し込めば良いのか?
独立行政法人 日本学生支援機構の奨学金には、予約採用と在学採用の二つがあります。
予約採用
予約採用とは、大学・短期大学または専修学校課程等に進学を希望している人に対し、進学前にあらかじめ奨学金の給付・貸与を約束する制度です。
予約採用の募集の第一回目は5月~6月頃。
第二回目は10月~11月頃です。
在学採用
在学採用は、大学等に進学後に奨学金の貸与を申し込む制度です。
4.高校生の奨学金制度
高等学校等就学支援金制度
高校等(高等専門学校・高等専修学校等を含む)に在籍し、年収目安910万円未満の家庭が対象になる制度です。
この制度で、国公立高校の授業料は実質無料になります。
私立高校授業料実質無償化
年収目安590万円未満の世帯に私立高校の授業料の平均額とされる39万6000円を上限に国が負担する制度です。
高校生等奨学給付金
生活保護受給世帯や住民税非課税世帯の高校生等に授業料以外の教育費を支援するものです。
各都道府県によって制度の詳細は異なります。
その他の修学支援策
保護者の失職、倒産などの家計急変により収入が激減し、低所得となった世帯に対し、収入の変動が就学支援金の支給額に反映されるまでの間、就学支援金と同等の支援を行う制度。
公益財団法人 日本教育公務員弘済会
大学等で学ぶ学生・生徒に対し、無利息で奨学金を貸与し、多くの学生・生徒の修学に役立てています。
また経済的な理由で学費支弁が困難な高校生を対象にした奨学金給付事業も実施しています。
社会福祉協議会 教育支援資金
低所得世帯に属する者が高等学校、大学または高等専門学校に就学する際に必要な経費を支援する制度です。
5.まとめ
経済的理由で修学困難な学生を支援する奨学金制度ですが、奨学金制度のメリット・デメリットを把握し、一つの奨学金制度だけに目を向けず、広い視野を持ってさまざまな奨学金制度、教育ローンなどの選択肢を検討してください。
そして、進学を諦めることなくご自身の進みたい道を切り開いていって欲しいと思います。
Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa