子供のお金の教育は何を学ぶの?

この記事を見てくれている人は、子供にちゃんとお金の教育をしたいと考えている人が多いと思いますが、「お金の教育」と言われても一体何をどの様に教えたらいいのか分からないという事はないでしょうか?

国語や数学の勉強ならなんとなくイメージできますが、「お金の勉強」となると何をするのかイメージしづらい…。

確かに「お金」と一言で言っても収入なのか、やりくりの仕方なのか、お金の貯め方なのかで教える内容も変わってきます。
他にも税金や保険、ローンや金融商品などあげればキリがないほどお金に関係してくる項目は多いです。

裏を返せば、「お金」に関して無知でいることはその多くの事に影響が出るということになります。

今回は、お金の教育は何を学ぶのかを解説したいと思います。

編集長 出沢
編集長 出沢

この記事は次のような人におすすめ!

  • お金の勉強とは何を学ぶのか知りたい
  • 身に付けるべき金融知識が知りたい
  • 年齢で学ぶべき金融知識が知りたい

1.最低限身に身に付けるべき金融リテラシー

お金の教育について何を学べばいいのか。
単刀直入にいうと、実は政府や金融庁が様々な調査や専門家からヒアリングを踏まえまとめてくれているのです。

その名は,「最低限身に付けるべき金融リテラシー」そのままですね。

そもそも”金融リテラシー”ってなに?

英語「literacy」の意味は ”読み書きの能力” ですが、よく使われるITリテラシーなどの「〇〇リテラシー」の意味あいは、「ある特定分野の基礎知識・判断力」という意味で使われます。

金融リテラシーであれば、「お金にかかわる金融や経済に関する基礎知識と判断力」となります。

もう少し詳しくいうと「お金に関係する知識をよく理解して、その知識を元に状況に応じた判断ができる能力」ということになります。

最低限身に付けるべき金融リテラシーの内容は?

 金融リテラシーの意味がわかったところで、次は金融リテラシーは何を身に付けるのか気になると思います。

そこで金融庁が中心に、国民が生活スキルとして最低限身に付けるべき金融リテラシーを4分野にまとめてくれています。

最低限身に付けるべき金融リテラシーの分野
  1. 家計管理
  2. 生活設計
  3. 金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル(長いので要約)
  4. 外部の知見の適切な活用

そしてこの4分野を身に付けるために、「この内容は理解していた方がいいよね。」「これは習慣として出来たらいいよね。」という事を15項目(多い…)に分けています。

裏を返すと、「15項目が出来ていれば最低限身に付けるべき金融リテラシーの4項目も身に付いている、と言えるよね。」ということです。
ここでは15項目の詳細は割愛しますが、下記の金融庁のパンフレットを見てみて下さい。

では次は「どうすれば、その4分野15項目の金融リテラシーが子供に身に付くか?」という事が気になると思います。

2.年齢別でわけた金融リテラシーマップ

最低限身に付けるべき金融リテラシーの4分野15項目も、大人と子供では理解できる事に差が出るのは仕方ないことですよね。

そこで、「年齢別に分けた方が理解しやすいし、わかりやすいよね。」ということで、最低限身に付けるべき金融リテラシー4分野15項目を年齢別に、しかも体系的にかつ具体的にまとめてくれているのです。

小学生から高校生に向けた金融教育プログラム

小学校から高校生に金融リテラシー4分野15項目を理解をしてもらうとなると、学校の授業に取り入れた方がいいのは想像できますが、新しい教科を作るのは大変です。

そこで従来の教科や学習指導要領を考慮しながら、金融教育を授業に取り込む手掛かりを提供する事に重点を置いたのが「金融教育プログラム」の特徴です。

なので、従来の授業で扱う内容の中で「この授業の内容は、金融リテラシー15項目の中の一つにも関係があるよね。」という形で教科に関係性を持たせています。
社会や公民、家庭科、道徳の授業に関係している項目が多くなっています。

そして、子供たちの将来を踏まえキャリア教育に関する分野が追加されているのも特徴の一つです。

また問題点として強制ではないので、教科担当の先生が金融教育プログラムを考慮して授業を組み立てていなかったり、十分な授業時間を確保できなかったり、各教科の他の内容に重点が置かれている場合もあります。

また授業を受ける生徒側も金融教育を受けているという認識を持ちづらいというのもあると思います。
実際に2019年の金融リテラシー調査でも、約90%の人が学校で金融教育を受けた認識が無いと答えています。

高校生以降の年齢には金融リテラシー・マップ

高校生以降の年齢に向けた金融リテラシー4分野15項目を体系的にかつ具体的にまとめているのは「金融リテラシー・マップ」です。

小学生からの年齢も載っていますが、小学生から高校生までは先程紹介した金融教育プログラムの内容との整合性がとられています。

金融リテラシー・マップの問題点は、詳細すぎて若干分かりにくいですし、それも原因なのか社会人向けに一気通貫で金融リテラシー・マップを学べる機会がほぼ無く、各個人の努力に任されているような状況です。

3.まとめ

  • お金の知識は何を学ぶの?
    「最低限身に付けるべき金融リテラシー」
  • 金融リテラシーって何?
    「お金に関係する知識をよく理解して、その知識を元に状況に応じた判断ができる能力」
  • 「最低限身に付けるべき金融リテラシー」の内容は?
    ①家計管理
    ②生活設計
    ③金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル 
    ④外部の知見の適切な活用
    の4分野15項目
  • どうやって身に付けるの?
    小学生から高校生は「金融教育プログラム」
    高校生以上は「金融リテラシー・マップ」
  • ただなかなか活用が進んでいない…。

Text&Director:Hirotaka Dezawa

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