子どもの塾の費用はどのくらい必要?

皆さんのお子さんは塾に通っていますか。
それとも通わそうか悩んでいる?全く塾なんて考えていない!きっと、さまざまなご家庭があるでしょう。

私の子どもは現在7歳、お友達と遊びたいし、大好きな本をたくさん読みたい!!
そんな子どもなので塾はまだ考えていませんが、いつか大きくなったら塾に通いたい!なんて言うのかな?
実際、私は高校受験を間近に控えた、中学3年の部活の引退後に両親に言いました。
「塾に通いたい!」と。
高校受験のための塾は無駄ではなかったと今でも思います。

この記事を読んでくれている皆さんのお子さんにもそうなって欲しい!!親としても、子どものためになるのであれば塾の費用だって惜しくない?はずです。
ちなみに大学受験の時にも塾に行きましたが、この時の塾は、単なる気休めに過ぎなかったのではないかと自問自答しています…

そうならないためにも、なぜ塾に通うのかを明確にして、費用のことも含めてお子さんと話し合ってほしいと思います。

Yuri Ishiguro
Yuri Ishiguro

この記事は次のような人におすすめ!

  • 子どもの塾の費用はどのくらい必要なのか知りたい人
  • 数ある塾の中から、どのように塾を決めればよいか知りたい人
  • 塾の費用をどのように確保するか悩んでいる人

1.塾を検討する際のポイント

なぜ塾に通うのかを明確にする

塾には、大きく分けて進学塾と補習塾の二つがあります。
中学受験・高校受験のために塾に通うのか、それとも授業の復習や苦手科目の克服のために塾に通うのかで目的が変わってきます。
塾に通う目的と塾のカリキュラムを照らし合わせ目的に合った塾を選ぶことが大切です。

費用

塾は費用は多くの塾が月謝制となっており、毎月一定額を負担することになります。
また、教材費や志望校対策コースなど月謝とは別に費用がかかることがあります。

塾を決める前に、その塾のホームページや資料請求するなどして、どのくらいの費用が必要なのかを把握しておくことが大切です。

通いやすさ

自宅から近い、学校から近いなど子どもが通いやすい塾を選ぶように心がけることが大切です。
通いやすい場所に塾がない場合、通うこと自体が負担になります。
また、子どもが一人で帰ってくることを考えると、暗くなってからの帰り道は不安がつきものです。

合格実績

中学受験や高校受験のために塾に通うのであれば、合格実績は重要です。
もちろん実績の数は重要ですが、子どもの志望校の実績があるのかを確認しましょう。
塾の指導方法はさまざまなので、実績があっても特定の学校に対しての実績がない場合があります。

講師の質

成績を伸ばすことができる講師は魅力的ですが、子どもとの相性も大切です。
講師の実績はホームページや資料に記載されていることもあるので確認してみてください。

子どもとの相性に関しては、体験授業を受けてみるのが良いかもしれません。
講師との相性だけでなく塾の雰囲気や、勉強の環境が整っているかなどさまざまなことが分かるでしょう。

勉強の環境が整っているか

授業の内容は一番重要視するところですが、自習室があるかなどを確認しましょう。
塾の自習室では、もちろんそこにいる皆が勉強しているはず。
皆が勉強している環境に身を置くことで、自然と勉強モードになるそうです。

サポート体制

塾は子どもに勉強を教えるだけではありません。
進路の相談に乗ってくれるか、自宅での学習についてアドバイスをくれるか、時には親に対しても子どもの学習意欲の向上のために親ができることをアドバイスしてくれるかなど、勉強以外にもサポート体制が整っているかを確認することが大切です。

大手塾・個人塾問わず検討する

複数の塾を比較することで、その塾の特徴が分かります。
逆に、良くないところも分かるかもしれません。
ホームページやパンフレットを見ただけでは分からないこともあると思うので、一度体験授業を受けてみるのが良いかもしれません。

2.塾に通う子どもの割合はどのくらい?

塾に通っている子どもはどのくらいいるのでしょう?
下記のグラフは、ベネッセ教育総合研究所が2017年に実施した調査で学年別の進塾率を調査しています。
学年を追うごとに中学3年生までは右肩上がりに増えているのが分かります。

上記のグラフの内訳が以下のグラフです。
進学塾・補習塾の割合が年齢とともに高くなっているのが分かります。

また、文部科学省の調査データになりますが、公立・私立の通塾率を比較すると以下の表になります。
小学生では中学受験を控えているため私立に通う子どもの通塾率が高く、一方中学生では、中高一貫校に通う子どもは高校受験の対策が必要なくなるため、公立に通う子どもの通塾率が高くなります。

公立私立
小学生39,1%75,1%
中学生69,3%60,3%
 出典:文部科学省 子供の学習費調査 平成30年度

3.小学生の塾の費用はいくら必要?

下の表は文部科学省が小学生の各学年の塾費用を調査したデータです。
小学生では、どの学年においても私立に通っている家庭の塾費用の負担が大きくなっています。

小学校公立私立
平均53,313円252,790円
第1学年17,991円114,452円
第2学年30,278円121,978円
第3学年40,629円162,612円
第4学年47,773円257,528円
第5学年84,579円384,113円
第6学年96,289円485,494円
出典:文部科学省 子供の学習費調査 平成30年度

また、中学受験を目的とした塾費用と、授業の予習復習などのサポートを目的とした塾費用には差があります。
中学受験を目的とした塾では、受験対策講座や模試、テストが行われるため、高学年になるにしたがい費用が高くなる傾向があります。

4.中学生の塾の費用はいくら必要?

下の表は文部科学省が中学生の各学年の塾費用を調査したデータです。
中学校では、公立・私立ともに学年が上がるにつれて塾費用も上がります。

中学校公立私立
平均202,965円153,365円
第1学年110,774円117,141円
第2学年178,408円156,644円
第3学年313,780円186,569円
出典:文部科学省 子供の学習費調査 平成30年度

小学校の塾費用と比べて異なる点として、公立に通う家庭の負担が大きいことです。

原因としては、私立の区分では中高一貫校が多く含まれるため、高校受験の対策が必要なく、費用が抑えられるためだと考えられます。
また、授業形式によって費用が異なる場合があり、個人指導は集団指導より費用は高く、入会金も高い傾向があります。

進学塾、補習塾でも差が見られ、進学塾では受験対策の講座や模試・テストが行われるため補習塾よりも負担が大きくなる可能性があります。

5.塾に通うメリット・デメリット

メリット

勉強のサポートをしてくれる

塾は勉強を教えるところであり、そこにいる先生も勉強を教えるための先生です。
ですから、勉強のやり方や成績を上げるためにはどうしたら良いのかを知っています。
また、学校の授業についていけなくなった場合、塾で復習ができたり、苦手な教科や教科の中での弱点を分析してくれるので何をどのように勉強したら良いか分かります。

受験対策ができる

中学受験・高校受験では学校で習った範囲の応用問題が出題されるため、その対策ができます。

良いライバルができる

同じ目標に向かう仲間が集まるため、お互い刺激になるでしょう。

学習習慣が身に付く

定期的に塾に通い課題こなすことで、学習習慣が身に付きます。学習習慣を確立しておくことは大切なことです。

分からない問題を質問できる

塾では先生に質問しやすい環境であるため、学校で聞きたくても聞けなかったこと質問することができるでしょう。
分からない問題をそのままにして、次に進むことがなくなります。

デメリット

自分の時間が持てない

友達と遊ぶ時間や、自分のやりたいことをする時間が限られます。

学校の勉強に真剣に取り組まなくなる可能性がある

塾での授業内容が学校の授業より先に進んでいる場合、分かり切った授業に価値を見いだせなくなり授業に真剣に取り組まなくなる可能性があります。
「もう塾で習ったから、学校では勉強しなくて良い」なんて言い始めるかもしれません。

勉強が嫌いになってしまう可能性がある

勉強時間の増加、塾の宿題、塾に通うことで友達と遊べなくなるなど子どもに大きな負担がかかります。
その負担が子どもに重くのしかかり、逆に子どもを勉強嫌いにしてしまうかもしれません。

6.塾の費用はどう確保するか

塾の費用は、子どものためとはいえ経済的な負担になります。
家庭によって、塾の費用をどう確保するかはそれぞれ違うでしょう。

日々の生活費の中で負担できる家庭や、貯蓄の中から負担する家庭などさまざまだと思います。
「無理をしない教育費の貯め方」の記事にヒントがあるかもしれませんので参考にしてみてください。

「東京都チャレンジ支援貸付事業」

塾代の助成事業・支援事業というものがあります。
一定所得以下の家庭を対象として、学習塾や受験対策講座などの費用、受験料を無利子で貸付する事業です。

東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」を例に挙げてみていきます。

対象:学習塾、各種受験対策講座、通信講座、補習授業の受講料、高校・大学等の受験料の捻出が困難な一定所得以下の家庭の中学3年生・高校3年生又はこれに準じる方

利子:無利子 高校・大学等に入学した場合、返済免除

引用:受験生チャレンジ支援貸付事業 東京都福祉保健局

貸付資金の内容

貸付対象貸付限度額貸付の範囲
学習塾等受講料20万円
(上限)
対象となる学習塾等の費用
受験料
(中学3年生又はこれに準じる方)
2万7,400円
(上限)
対象となる高等学校等の受験料
受験料
(高校3年生又はこれに準じる方)
8万円
(上限)
対象となる大学等の受験料
出典:受験生チャレンジ支援貸付事業 東京都福祉保健局

その他、貸付対象となる学習塾、高等学校等、大学等など詳細は東京都のホームページに掲載されています。
興味のある方は、確認してみてください。

その他に、一定所得以下の家庭に対して、塾で利用できるクーポンを無償で提供しているNPO団体がある自治体や、経済的な理由によって塾に通えない子どもを対象に、ボランティア講師が無償で学習支援を行う自治体があります。

7.まとめ

  • 塾になぜ通うのかを明確にし、子どもに最適な塾の選択を!
  • 費用が大体いくら必要なのかを事前に把握しておく
  • 塾の費用をどう確保するか目途をつける
  • 利用できる助成事業などを積極的に使う

子どもにとって意味のある塾通いは、親にとって意味のある経済的負担です。
これから塾を考えているご家庭、もうすでに通っているご家庭も、ぜひ一度費用のことも含めてお子さんと話すことが大切ではないでしょうか。

Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa