お子さんの児童手当やお年玉を皆さんはどのように管理していますか?
お子さんの銀行口座を開設してその口座に貯蓄している、親名義の口座に貯蓄している、現金のままタンス預金なんて方もいらっしゃるかもしれません。
あるいはすでに使ってしまっている方も・・・
いざ、子どもの銀行口座を開設しようと思っても、子どもの銀行口座を作るって難しそう、どうやって作るんだろう、何を用意すれば良いの、とさまざまな疑問が沸いてきそうです。
実際、私が銀行に勤めていた時、子どもの銀行口座を開設しに来る方は少なかったように思います。
ハードルが高いのか、必要性を感じていないのかは定かではありませんが、来店するお客様は会社関係の方か年配の方が多数を占めていました。
この記事を書いている私は7歳の子どもの母親ですが、子どもが0歳の時に子ども名義の銀行口座を作りました。
だからといって、作ることをお薦めするわけではありませんが、この記事を参考にしていただき、お子さんの銀行口座に関して少し興味を持っていただけると嬉しいです。

この記事は次のような人におすすめ!
- 子どもの銀行口座を作ろうと想っている
- 通常の銀行とネット銀行のメリット・デメリットが知りたい
1.子ども名義の口座をつくるメリット

管理がしやすい
児童手当や子どもが頂いたお年玉などを親名義の口座で管理している人、生活費と一緒になり、うっかり使ってしまったことありませんか。
子ども名義の口座を開設し、児童手当やお年玉などを生活費と別に管理することにより預金額が明確に把握でき、またうっかり使ってしまう可能性はなくなりますね。
お金の教育に使うことができる
児童手当やお年玉を子ども名義の口座で管理し、通帳の明細を子どもと一緒に見ましょう。
それによって、お年玉が銀行に預金されているという実感が沸きます。
そして、そのお金を使えば残高が減り、貯まれば普段は買えないような大きな買い物ができることを子どもなりに理解するはずです。
「自分がもらったお年玉」であるお金をこれからどのように使っていくか、どのように貯めていくかを親子で話し合えば、子どもがお金に興味を持ち始めるかもしれませんね。
子どもに渡すことができる
子どもが大きくなった時、何かの節目で子どもに渡すことができます。
しかし、注意する点が一つあり、贈与税の対象となるケースがあることです。
贈与税に関しては次の章で説明します。
確実に貯蓄することができる
子どもの名義ということで、このお金は使ってはいけない!という心理が働き、安易に使うことができなくなるはずです。
それによって貯蓄することができますね。
2.子ども名義の口座を作る際に気を付けたいこと
①贈与税の対象になる可能性がある
子ども名義の口座とは言っても、実際は親が子どものためにと作った口座です。
何かの節目に、子どもに印鑑と通帳を手渡した時点で贈与したものとみなされます。その時点の口座の残高によって贈与税がかかる可能性があります。
- 一年間の贈与が110万円以下であれば、贈与税がかかりません。
- 教育資金の一括贈与に係る非課税措置(令和5年3月31日までの措置)
子どもの教育資金に充てるための贈与であれば、1,500万円までは贈与税がかかりません。
学校等以外のものに支払われるものについては500万円を限度とします。 - 結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置(令和5年3月31日までの措置)
子どもの結婚・子育て資金に充てるための贈与であれば1,000万円までは贈与税はかかりません。結婚費用は300万円が限度となります。 - 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度(令和3年3月31日までの制度)
家屋の新築、取得、増改築等のための資金や土地等の購入資金を贈与により取得した場合は、一定の金額まで贈与税が非課税になります。
②子どもの成人後は本人でないと手続きができない
子どもが成人した後は、引き出しや振り込みなどの手続きを親がする場合、委任状が必要になります。
③長期間口座の動きがないと、未利用口座として扱われる
各銀行によって扱いは異なりますが、長期間口座に動きがない場合、未利用口座として扱われ口座管理手数料がかかることがあります。
三菱UFJ銀行の場合、2021年7月1日以降に開設された口座で、2年以上利用がない普通預金口座について「未利用口座管理手数料」(年間1,200円)を新設しています。
3.子ども名義の銀行口座を作るには

口座開設のときに必要なものは?
必要になる書類は基本的には、以下の通りです。
大手銀行、地方銀行、ネット銀行、郵貯銀行など、各金融機関によって揃える書類は多少変わってくる場合があるので、口座開設する銀行を決めたら、問い合わせをするなど確認することをお勧めします。
- 子どもの本人確認書類
マイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きの書類一点
あるいは、各種健康保険証、母子手帳、住民票などの書類二点 - 親権者または法定代理人の本人確認書類
運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きの書類一点
あるいは、各種健康保険証、母子手帳、住民票などの書類二点 - 届出印
子どもの人数分(すべて同じ印鑑でも問題ありません) - 開設時に預け入れる現金(店頭で開設する場合)
口座を開設する際、0円から開設できる銀行と、1円以上を条件にしている銀行があります。
4.店舗を持つ銀行とネット銀行の違い
口座を開設する際、店舗を持つ銀行(有人店舗)とネット銀行では何が違うのでしょうか。
三菱UFJ銀行と楽天銀行を比較してみます。
三菱UFJ銀行(有人店舗) | 楽天銀行(ネット銀行) | |
---|---|---|
子どもの必要書類 | 【1点で受付可能】 マイナンバーカード・パスポートなど 【2点で受け付け可能】 住民票・健康保険証など | マイナンバーカード・カード型健康保険証 ・パスポート・住民票・印鑑登録証明書など原則2点 (書類提出方法により1点の書類でも受付可能) |
親の必要書類 (法定代理人含む) | 【1点で受付可能】 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど 【2点で受け付け可能】 住民票・健康保険証など | 運転免許証・マイナンバーカード・カード型健康保険証 ・パスポート・住民票・印鑑登録証明書 など原則2点 (書類提出方法により1点の書類でも受付可能) |
子どものマイナンバーが 確認できる書類 | マイナンバーカード・通知カードなど | 不要 |
子どもと親権者の関係を 確認できる書類 | 住民票・戸籍謄本など | 不要 |
銀行印となる印鑑 | 必要(シャチハタ不可) | 不要 |
手続き | 店頭 | スマートフォンやPCのネット |
5.各銀行の取り組み

店舗を持つ銀行、ネット銀行では口座を開設するにあたって異なる点や、口座開設、預金することでさまざまなサービスがあります。
現代は銀行だけでも選択肢がかなり広がりました。
その分、迷ってしまうこともありますよね。
ぜひ銀行の特徴やサービスを比較して、どの銀行で口座を開設するのが良いのか検討してみてください。
14歳以下なら親権者が代理で口座開設可能。
満15歳以上なら「スマート口座開設」アプリで口座開設可能。
三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング)に登録のうえ、取引内容によってATM手数料や振込手数料などの優遇があります。
未成年者の口座開設においては、
- 親権者の同意
- 親権者のいずれかが新生総合口座「パワーフレックス」を保有していること
- 日本国内に住んでいること
- 名義人本人の資金であること
の4つが条件。
13歳未満の場合、親権者が代理で口座開設可能。
13歳以上の場合、親権者の同意のうえで口座開設可能。
来店による未成年者の口座開設においては、原則として本人と親権者2人の計3名で来店することが条件となっていますが、場合によっては本人と親権者の計2名の来店でも口座開設可能です。
有人店舗と店舗や窓口のない「BANK」があります。
15歳未満の口座開設は有人店舗への来店のみで親権者が代理で手続き可能。
- 「BANK」の普通預金 金利年0.2%。
- ゆうちょのATMでは入出金手数料が無料です。
12歳以下なら親権者が代理で口座開設可能。
- ポイント付与など様々な特典があります。
- 楽天証券との口座連携サービスで普通預金金利が0.02%から0.1%にアップ。
- 「ハッピープログラム」へのエントリーでコンビニ、みずほ銀行ATM手数料が最大月7回まで無料。
- 振込手数料最大月3回まで無料です。
15歳未満の口座開設は郵送あるいは店舗での申し込みに限る。
親権者のみか本人と親権者2名での来店で口座開設可能。
- イオン銀行ATM(イオンやミニストップ・ダイエー)では出金手数料が24時間365日無料です。
- 提携金融機関ATM(ゆうちょ銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行など)の手数料無料です。
- イオン銀行Myステージの特典によって普通預金金利が0.01%~0.1%。
- Myステージの特典で他行入出金手数料が最大月5回無料。
- 他行宛ての振り込み手数料が最大月5回無料。
15歳以上で口座開設可能。
- 提携金融機関ATM(イオン銀行・セブン銀行・ゆうちょ銀行など)の入金手数無料。
- 出金手数料はスマートプログラムのランクに応じて無料回数が決定。
- 振込手数料は三井住友信託銀行以外の提携金融機関においては、スマートプログラムのランクに応じて無料回数が決定。
満15歳以上で口座開設可能。
- 毎月最初の1回は提携金融機関ATM(三井住友銀行・ゆうちょ銀行・セブン銀行など)の入出金手数料が無料。
- 毎月2回目からは、利用金額3万円以上で入出金手数料が無料。
- paypay残高への入出金がいつでも、何回でも無料。
上記の内容は2021年6月現在の内容ですので、詳細は各銀行のWebサイトでご確認ください。
6.まとめ
子ども名義の銀行口座開設では、年齢制限があるもの、キャンペーンを実施している銀行などさまざまな特徴があります。
また、開設したあとには、手数料の問題や使いやすさなど重要視したい問題もあります。
入出金のたびに手数料がかかってしまう、自宅の近くにATMがなかったなんていうことは考えものです。
子ども名義の口座を作ることによって、贈与税などの問題が発生する場合もあります。
子ども名義の口座の開設は本当に必要なのかをきちんを考えたうえで、自分の優先順位は何なのかを明確にして、金融機関を選ぶことが大切だと思います。
Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa