以前、おこづかいの渡し方についての記事を書きましたが、世界の子どもたちのおこづかい事情はどうなっているのでしょう?
金額や渡し方など、きっと各国それぞれの特徴があるに違いありません。
自分の子どもにおこづかいをあげるときの参考にしてもいいかもしれませんね。
日本のおこづかいについては「小学生の子どものおこづかい。渡し方で良い方法は?」に詳しく載せているので、参考にしてみてくださいね!!

この記事は次のような人におすすめ!!
- 海外のおこづかい事情を参考に子どものおこづかいについて考えたい!と思っている人
- 海外のおこづかい事情に興味のある人
1.イギリスのおこづかい事情

イギリスの子どもたちのおこづかいは、5歳から10歳の子どもは1週間に平均4,8ポンド(約863円)、15歳以上の子どもは1週間に平均9,6ポンド(約1,725円)というデータがあります。(2014年度データ)
また、都市別に見ると、ロンドンの子どものおこづかいの平均金額は、1週間に8,26ポンド(約1,485円)、ウェールズの子どものおこづかいの平均金額は1週間に5,54ポンド(約996円)と、都市によって差があることが分かりました。
イギリスでは、「ノージョブ・ノーマネー」の考え方が強く、多くの親がお手伝いなどの対価として、おこづかいを渡しています。
働くことによってお金を得ることは、お金の教育につながることだと考えられているのです。
2.ドイツのおこづかい事情

ドイツでは、ドイツ連邦家庭高齢者女性青少年省によるファミリー向けのサイトで、年齢別のおこづかい金額の提案リストが掲載されているといいいます。
実際のおこづかい金額は、6歳から13歳の平均は男の子は月に26,75ユーロ(約3,236円)、女の子は月に25,93ユーロ(約3,137円)となっています。
また月々のおこづかい以外に、誕生日やクリスマス、イースターなどのイベントごとにプレゼントとしてお金をもらいます。

3.スウェーデンのおこづかい事情

スウェーデンでは「No Cash(現金お断り)」の看板を掲げるお店があるほど、キャッシュレス化がすすんでおり、子どもへのおこづかいも例外ではありません。
おこづかいは子ども用のデビットカードを購入し管理したり、おこづかい管理アプリを使って、親の口座から子どもの口座へ、毎週または毎月、決まった金額を入金して管理するなどさまざまな方法があります。
銀行が開発したおこづかいアプリでは、入出金の管理のほか、貯金もできるようになっているといいます。
スウェーデンでは小学生ごろからおこづかいをもらうのが一般的で、約60%の子どもがおこづかいをもらっています。
2014年の調査では、6歳では1週間に平均15クローナ(約180円)、13歳では1か月に平均283クローナ(約3,396円)、16歳では1か月に平均668クローナ(8,016円)とのデータがあります。(1クローナ≒12円)
スウェーデンも同様、おこづかいはお金の使い方を学ぶための重要なツールだと考えられています。
4.フランスのおこづかい事情

フランスでは、小学生がおこづかいをもらうことは珍しく、中学生になる11歳からもらうのが一般的で約50%の子どもたちがおこづかいをもらうようになります。
一方で、「寮生活になるから」「友達との付き合いが増えるから」などという理由から高校生(15歳から17歳)になってからおこづかいをわたすと考える親も少なくないようです。
おこづかいの金額は、年齢と比例させるという考え方があるようで、例えば「7歳なら7ユーロ」「11歳なら11ユーロ」。
高校生になると年齢の倍として考え、「15歳なら30ユーロ」、「17歳なら34ユーロ」というようにわたす親も多いようです。
フランスのおこづかい事情が、他のヨーロッパの国々と少し違うのには理由があるようで、そもそも盗難事件の多いフランスでは、現金を持ち歩いていると、子どもでも狙われることがあるそうで、基本的には大人も子供も現金を持ち歩きません。
また子ども同士でお店に出かけて買い物をしたり、お金のかかる場所へ出かけることはないので、おこづかいが必要ありません。
そして、お誕生日やクリスマスに多少高価なものであったとしても欲しいものがもらえるという習慣があります。
フランスも、キャッシュレス化が進み、未成年者向けのカードを発行し、毎週または毎月、一定額をおこづかいとして入金、親が入出金の管理をするといった家庭も増えているようです。
5.中国のおこづかい事情

中国では、おこづかいは子どもが欲しがる時にわたすという考えが強いようです。
一人っ子政策が長く続いた中国では、甘やかされて育つ人が増えたことで、お金を簡単に手に入るものとして考え、お金の管理ができない若者が増えているという問題があります。
おこづかいの金額としては、50元~100元が平均的な金額のようです。(1元≒13円 2003年)
6.シンガポールのおこづかい事情

シンガポールの公立の小学校は給食がなく、お弁当を持参したり、「キャンティーン」と呼ばれる食堂でお昼ご飯やおやつを子ども自身で購入するそうです。
このため、小学校に入学するタイミングでおこづかいを渡す家庭が多く、小学生は1日平均S$3、中学生は1日平均S$5〜10を親から受け取り、自分で管理します。
シンガポールの子どもたちは、おこづかいを貯金する傾向が高く、貯金の目的としては、「お金の自己管理能力を養うために貯金する」と回答した子どもが62%に上りました。
参考までに、日本の子どもの54%は貯金の目的は「おやつやおもちゃ等を買うため」と回答したそうです。
7.アメリカのおこづかい事情

アメリカのおこづかい事情の特徴と言えば、おこづかいの金額が多いこと!!1
0歳以下の子どものおこづかいの平均金額は1か月に113ドル。(約1万1400円 2014年データ)
しかし、この金額には理由があるようで、アメリカの子どもたちは、自分に関する支出をおこづかいでまかなうという考えからきているようです。
またアメリカでは、小さいころからお手伝いの対価としておこづかいをもらうのではなく、労働の対価として賃金をもらうという考え方があります。
「世界の金銭教育は?アメリカ編」でも書いていますが、レモネードスタンドは有名です。
また、近所の家の草を刈ったり、犬の散歩をしたりして、お金を稼ぐことを子どものときから学びます。
8.まとめ
世界それぞれ、おこづかいの事情が異なることに興味深くもあり、また参考になります。
おこづかいはこうでなければならない!という考えにとらわれず、家庭それぞれ自由な形があっていいのかもしれません。
Text:Yuri Ishiguro
Director:Hirotaka Dezawa
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